播磨・淡路の城郭絵図特集ー『歴史と神戸』348号を発行しました
60巻5号/歴史と神戸/もくじ
特集・兵庫の城郭絵図研究(播磨・淡路編)―荻原一青の再評価
明石城と荻原一青画「播磨明石城図」………………宮本 博(1)
―元絵図と参照資料の検討―
荻原一青の描いた「播磨龍野城之図」………………岸本 道昭(12)
姫路城・赤穂城・林田陣屋
荻原一青の描いた城郭絵図…………………………堀田 浩之(19)
荻原一青書写による洲本城絵図について……………定本 義広(32)
荻原一青の遺した城郭関連図…………………………大国 正美(46)
口絵の「播磨国姫路城図」について………………………………………編集部(45)
残暑お見舞い申し上げます……………………………………………(49)
――――――――――――――――――――――――――――――
表紙・藤田年男
荻原一青画「播磨国姫路城図」(本文は45ページ)
編集後記
四月号に続き荻原一青氏の遺した城郭絵図のうち播磨と淡路の城を取り上げた▼宮本さんは明石城の「荻原図」は、島田清著『明石城』の収録図を基礎図として同書の他の図で細部を補い現地踏査も踏まえ加筆したと制作過程を想定▼岸本さんは荻原一青は二種類の「龍野城図」を合体させて「荻原龍野城図」を完成させたとする▼荻原の「姫路城下図」の原図は、「姫路神社蔵図ヨリ作図」とあるが現在所在不明。堀田さんは姫路市立城郭研究室蔵の「姫路侍屋敷図」と同じか同系と判断。「播州赤穂刈屋城図」の元となった典拠資料については特定できないとする。「林田陣屋図」の原図も不明だ▼洲本城について「上の城」「下の城」の二つの絵図を描いているが、定本さんはともに原図は所在不明とし、蜂須賀家文書の様々な洲本城絵図と比較する▼荻原一青の城郭絵図は鳥瞰図ばかりが有名だが、縄張図など一三七点が遺族の手元で保存されている。その全リストと特徴も示した(大国)