『歴史と神戸』353号を発行しました
61巻4号/歴史と神戸/もくじ
特集 播磨国風土記研究の新視角
『播磨国風土記』の伊和大神と大神…………………………垣内 章(1)
十四丘物語の考察………………………………………………菅野 稔博(13)
地域に即した播磨風土記研究…………………………………岸本 道昭(24)
託賀郡「有味」の謎を解く……………………………………孝橋 明子(33)
『兵庫県小字名集Ⅵ 神戸・阪神間編』刊行と事業完結…大国 正美(43)
追悼 二宮一郎さん……………………………………………渋谷 武弘(45)
暑中見舞い申し上げます………………………………………………………(50)
――――――――――――――――――――――――――――――
新聞地域版を読む(23、32、48) 受贈図書紹介(12、46)
表紙・藤田年男
会告 木南弘代表が退任
木南弘代表が体調不良で、七月の委員会で退任が承認されました。木南さんは一九六八年に編集委員となり、一九八九年から九一年まで、二〇一三年から現在まで通算十一年九カ月代表を務められました。温厚なお人柄で活動を支えていただきました。後任は当面置かず、大国が編集担当、増田委員が発行担当として責任を分担します。
代表を当面置かない代わりに、参与に藪田貫兵庫県立歴史博物館館長と、奥村弘神戸大学副学長をお迎えします。二年ほどかけて参与と委員で、神戸史学会の方向性、雑誌の在り方について論議を重ねます。
また地域委員では阪神の藤川祐作さんも体調不良のため活動できなくなりました。後任はあまがさきアーカイブズの辻川敦さん(元尼崎市立地域研究史料館長)。空席だった丹波地方は地域史家として幅広く活動されている山内順子さんが加わります。(大国)
編集後記 今回は岸本道昭さんのお骨折りで「播磨国風土記」特集となった。「播磨国風土記」は近年、兵庫県立歴史博物館に設けられたひょうご歴史研究室で研究が進んでいるが、そうした動向ともリンクしている▼垣内さんは伊和大神と讃容の大神を同体と考えてきた通説に異を唱え、讃容の大神を同等の神格とは考えない▼菅野さんは「播磨国風土記」で大きなウエートを示す十四の丘の物語を新たな視点で読み解く▼「播磨国風土記」の研究は在野の研究も盛んで、岸本さんが丁寧に拾った。アカデミズムとの交流を願う▼その代表格の一人が孝橋さん。音韻の変化は斯界では常識だが歴史分野ではなじみがない。一般の読者の理解を助けるため付論をお願いした▼巻頭の会告でお知らせしたように木南弘代表が退任した。長い間ありがとうございました。参与を復活、新たな委員も加わり、再出発します。論文だけではなく受贈図書紹介や「新聞地域版を読む」を拡充しました(大国)