『歴史と神戸』336号を発行しました
58巻5号/歴史と神戸
特集・忘れられた近世地域遺産を掘り起こす
丹波市中竹田の伊都伎神社の獅子狛犬と宮講………山内 順子(1)
古地図に見る地名(3)
魚屋道―幕府公認の六甲山間道…………………………大国 正美(13)
江戸時代、淡路島海難救助の仕組みとその実態……海部 伸雄(14)
旧有馬郡・旧美嚢郡東部域の二宮金次郎像(下)……上垣 正明(30)
兵庫県西国街道一里塚(一)加古川市平岡町西谷……………中村 和男(46)
「火垂るの墓」記念碑建立へ協力のお願い………………………(49)
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新聞地域版を読む(29) 残暑お見舞い申し上げます(49)
受贈図書紹介(45)新入会員紹介(48)
表紙・藤田年男
編集後記
山内さんは神社のごくありふれた獅子と狛犬の台座に刻まれた「旧宮講中」という文字と人名の謎を追った。文献や棟札などから宮講結成の背景に近世領主の苛政を読み取る。ありふれた身の回りの地域遺産に忘れられた価値を見いだす
▼海部さんは淡路の津井村での海難救助制度の仕組みと実態を検討。その苦労ぶりを克明に紹介。いわば村が海難救助の公的な役割を果たすことで、近世の海運が支えられていたことを明らかにする。こうした目に見えない慣習も地域遺産といえる
▼上垣さんの二宮金次郎像の報告が完結した。建設の経緯について旧北谷小学校(三木市立上吉川小学校)の事例に踏み込み、広がりの背景や、校庭の変化、戦中の金属供出、戦後の復興などにも言及した
▼中村さんの一里塚の位置の探求は、加古川市の西谷地区を取り上げた。『歴史の道調査報告書集成』の推定を修正する
▼編集子の「古地図に見る地名」は二五六号以来の掲載。随時掲載したい。(大国)